意地っ張りの涙(仮)
「おっ、茜じゃん!そっちは彼氏か?」

ニヤニヤしながら聞いてきたのは高梨凌平(たかなしりょうへい)。小学生からの腐れ縁だ。

「残念!彼氏だったら良かったんだけど、里緒菜だよ」

私の言葉に目が点になったような微妙な顔の凌平。

「嘘だろ…。里緒菜の髪、こんなに短くなかったぜ?」

信じられないと言わんばかりの凌平に

「ホントだって。昨日切ったんだから」

自分の横髪を指で摘まみながら答える里緒菜。

凌平が里緒菜の長い髪が好きだと私は知っているため、ポンっと肩に手を置き励ます。

「ドンマイ、凌平!」

私に答えることも出来ないほどのショックなのだろう。
凌平は捨て置き、里緒菜と一緒にクラス確認に掲示板の前まで進む。

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