意地っ張りの涙(仮)
「少し休んだほうがいいね。こっちの屋根のある所へ来なさい」

優しく肩を抱かれて誘導されるままに椅子に座らされる。頭が正常に働いていないと思っていると冷たいものが額に当てられた。

「茜、やり過ぎた…ゴメン。大丈夫か?」

ボォーっとしていると里緒菜の声がした。顔を向けて、

「大丈夫だよ、里緒菜。私が変なこと言ったからだし……気にしなくていいから。ーー私もゴメンね?」

できるだけ優しい声と笑みで里緒菜に接する。やっぱり泣きそうな顔をしたまま私にギュウッとしがみつく。受け止めながら落ち着くまで頭を撫でる。

「何があったかは知らないが仲直り出来たのなら良かったな。まだ、柊は冷やしときなさい」

ポンっと里緒菜の肩をそっと叩いて離れるように促したのは結城先生だった。さっき私をここに連れてきてくれたのは先生だったんだと気がついた。

「はい、ありがとうございます」

ニコリと笑って素直にお礼を言ってまた冷やし出す。私たちのやり取りを黙って見ていた夏目と凌平が傍に来てくれた。

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