意地っ張りの涙(仮)
凌平に聞いたら解るかな?いや、私と一緒で解んないか?
一人であーでもないこーでもないと頭を悩ませていると

「百面相してどうかしたのか?」

頭上から声が降ってきたのでそのまま顔を上げる。

「結城先生……百面相って」

元気なく答えるとフワフワと頭を撫でてくれた。

「面白い顔してたり忙しそうに見えたけど?どうした、どうした??可愛い顔が台無しだ」

笑いながら自然と隣に座る結城先生。様子を見にきて私が考え込んでいるから気になったのかな?

「皆には解るのに…私には解らないんです。教えてほしいけど、聞いても教えてくれなくて……」

悲しそうに見えたんだろう。一言だけ「そうか」と結城先生は呟いた。頭を撫でられていたので下を向いていて気づかなかったけど、夏目や里緒菜がキツくこちらを特に結城先生を睨んでいたことすら知らなかった。
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