意地っ張りの涙(仮)
里緒菜や凌平と同じクラスになれたらいいなぁ。
もし、願いが叶うなら…夏目と同じクラスになりたい。

夏目煌太(なつめこうた)。

同じ高校を受験したことも合格したことも里緒菜が教えてくれていたから。
図書室での出来事以来、私はまともに夏目と会話をしていない。男の子で一番の仲良しだったのに…私が壊した。

気分が落ちていきそうだったけど、里緒菜が

「あたしたち、同じクラスになったな。ついでに凌平も」

その言葉に安心して私も言葉を返した。

「また一年間、三人で居られるんだね♪」

素直に喜ぶ私にいつの間にか来ていた凌平は、

「おっしゃ!煌太とも同じクラスだぜ!!」

その言葉で、私は嬉しいのか切ないのかわからなくなった。
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