意地っ張りの涙(仮)
里緒菜と凌平が使い物にならなくなってしまった。とりあえず、凌平が起きればどうにかなるかと整理状況を確認すると終わっていた。

「整理…終わっているじゃないですか、結城先生?」

「うん?あぁ、終わってるな」

呑気にお茶すら啜っている。頭が痛くなるなぁ。

「私を呼ばなくても自分でできるじゃないですか」

私が頭を押さえながら言えば、

「柊さんに逢いたくてね……毎日さ」

お馴染みになっているウインク付きで言われる。

「結城先生も飽きずに柊にチョッカイかけるんすね」

冷めた目で夏目がイラッとしたように返す。これも毎度のこと。いつもなら里緒菜と凌平まで混じっている。

「……先生、訳の分からないこと言わなくて良いですから」

そう言えば、二人揃ってため息をつく。
これも毎度のことだ。そして、何ともいえない顔で私の顔を里緒菜と凌平も一緒に見てくるのだ。
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