意地っ張りの涙(仮)
同じクラス…。
また話せるようになるかなぁと俯いてしまった私の頭をポンっと軽く叩く手。

「大丈夫だよ、茜」

そう言うと私の頭から手を離す里緒菜。

「……男前過ぎだよ、里緒菜ってば」

同性だけど男より男前な里緒菜に自然と笑顔で返事を返すことができた。

「凌平もこれくらい男らしくなんなよね!」

意地悪な笑いを顔に浮かべながらからかう私。

「なれたら苦労しねぇーよ…マジで」

ガックリと肩を落とした凌平を見て、私と里緒菜は大笑いしてしまう。すると凌平も大笑いし始めた。


そんな私たちを見つめていた瞳に気が付かないままで。

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