意地っ張りの涙(仮)
授業も終り、2時間分のノートを確認する。

「うん、凌平に見せれるね」

私は満足感でニッコリ笑って帰る支度をする。凌平の荷物は夏目がいつの間にか用意していた。

「凌平の所へ行くんだろ?」

私を振り返ってそう言う夏目に何となく胸がキュンとする。何でなんだろうと首を傾げてしまう。

「柊?どうかしたか??」

そう私の様子が気になったのか夏目が近づいてきた。顔の距離感が近い気がする……。

スパンッ!!!

音が響いたと思ったら夏目が消えた。……というか、夏目がしゃがんでいて仁王立ちの里緒菜が居た。オプションに丸めた教科書付きで……(汗)

「里緒菜……凌平だけじゃなくて夏目まで殺る気なの?!」

「いってぇ~~!!何しやがる、瀬野!」

思ったより夏目は元気みたい…。
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