意地っ張りの涙(仮)
大笑いした後、私たちは教室へ移動した。

開け放たれたままの扉から中へ入ると賑やかだった。同じ中学から来た者同士で固まって会話をしていたりと早くもグループが出来ているようだ。

幸い、里緒菜と凌平と席が近いようで荷物を置いて一息つくことが出来た。

「席が近くてラッキーだな!」

能天気に凌平が話し出す。

「茜の近くで良かったよ」

優しく微笑みながら里緒菜が言った。

「俺も近いぞ!?」

「それはそれはどうでもいいよ」

アピールしてくる凌平をバッサリと切り捨てた里緒菜。
私から見れば漫才のようで、凌平には悪いが楽しい。

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