恋トレ~この恋お手柔らかに~
出会いと別れ
こんなはずじゃなかったのに~!
「もう!限界……」
――1ヶ月半前
人生初の彼氏にフラれた。
私、夏目麻衣(なつめまい)27歳は高校時代からの友人、黒崎恵子(くろさきけいこ)と
2年前に「Indian Summer」(英:小春日和)という雑貨カフェを始めた。
この店をオープンさせるため私は昼間は地元の建設会社の事務、夜はコンビニでバイトをし
お店の資金を恵子と貯めた。
元々不器用な性格だから、何かを同時にすることが苦手なので、お店の資金を貯めながら恋愛なんて
とても出来なかった。
恵子は……というと、私と同じように仕事を掛け持ちしていたけど高校から付き合っている彼とは
ずっと続いていてお店を初めて1年後にその彼とゴールイン。
彼、信吾(しんご)とは恵子の結婚式の二次会で出会った。
新郎の黒崎琢己(くろさきたくみ)さんの勤める大手飲料メーカーの同僚だった。
かっこいいと言うよりもかわいいと言うのが似合う信吾は、年齢よりも若く見え、さわやか系。
人なつっこい子犬のような人だった。
そんな彼からの猛アプローチに最初は戸惑いを隠せなかった。
だが、店もやっと起動に乗り、気持ちにも余裕が出来、恵子達の幸せそうな姿を見て
うらやましく思ったし、年齢的にもこれを逃したら次がないのではと思いがあった。
私は恵子達の後押しもあり、信吾の人柄に惹かれはじめ付き合うようになった。