恋トレ~この恋お手柔らかに~
「麻衣、あんた犬初めてだよね」

「うん」

「かなりのチャレンジャーだね」

恵子の実家にはモモという柴犬がいて恵子は私よりも犬に詳しい。

その恵子にチャレンジャー呼ばわりされて不安しかない。

「毛が短いし、小型犬でかしこいからミニピン好きはずっとミニピンを
飼うって聞くけど…でも初心者向きじゃないよ。どうしてミニピンなの?」

「だって~目が~。あのクリクリした目が訴えたのよ。
『今、僕を飼わないと後悔する』って!!」

「で?実際飼ったら後悔したと?」

恵子の大きなため息に私は小さな声で「ちょこっと」と答えた。


「でもさ~まだ子犬でしょ~。あの子達の仕事は吠えて、寝て、食べて・・だからね」

と恵子は私をなだめるが

「でも、麻衣は日中仕事してるわけで、このままだと問題解決は難しいよね。
特にトイレトレーニングも今のうちにしておかないとヤバいし、吠え癖、噛み癖
これもどうにかしないと、犬にも麻衣にも良くないよね~」


確かに恵子の言うとおりだ。


私が衝動的に飼い始めたけど、ハチは私の大事な家族。

これから長い付き合いになるんだから今から弱音を吐いてどうするんだという

気持ちは大きい。

だけど、どうすりゃいいのよ~

うなだれる私に恵子がある提案をした。


「だったら…躾教室にかよったら?」

「躾教室?」


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