恋トレ~この恋お手柔らかに~
教室のような広いスペースに案内されると北嶋さんに笑顔で

「わんちゃん、出してげていいですよ」と言われ、

私はもごもごと動くキャリーバッグを恐縮しながら

開けた。

すると、待ってましたとばかりに勢いよく

バッグから飛び出ると

教室の中をぐるぐると走り回る。

私は北嶋さんに促され、部屋の隅にある椅子に座った


北嶋さんはしばらくハチの様子を見てから私の方に視線を移した

「……ピンシャ―ですか……」

ん?なんかさっきまでの爽やかさは?

なんだか含みある言い方をされた感じがしてチラリと顔をみるが

北嶋さんは変わらず笑顔のまま。

私の勘繰りすぎかと思い「はい。そうです」と返事をすると

「ちなみに…犬を飼ったことは?」

とすかさず質問される

「犬は初めてです。猫はあるんですけど…」

つい余計な事まで話してしまい苦笑いを浮かべる。

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