恋トレ~この恋お手柔らかに~
――ピンポーン


ハチとブラの引っ張りっこをしているとチャイムがなった。

「はーい。今行きます」

と返事しブラの紐を持つ手が緩んだ途端、ハチがブラを咥えたまま

玄関までダッシュした。

「ええええ?!そっち行っちゃうー?」

咄嗟に時計を見てハッとした。

きっと北嶋さんだ。

あたしはなんとかブラを奪還したく、ハチを捕まえようとするが

思いの外機敏でなかなか胴輪の紐をつかめない。

すると、ガチャリとドアの開く音と共にイケメンな北嶋さんと目が合う。

ハチは玄関で動きを止め北嶋さんを見る。

「あっ!す、すみません。ハチが・・・・・・」

ブラを咥えて離さないとストレートに言えず察してくれと目で訴える。

すると北嶋さんはポケットから何か小さな物を取り出すと

その場にしゃがみ、ハチと目線を合わせる。

そして手に持っていたものをハチに差し出す。

「ハチ、ちょうだい」

優しい声音でハチを呼ぶと、ハチはパッと口を開け咥えていたブラはボトッと落ち

北嶋さんの手のひらに乗った乗った物を食べるた。

そして、北嶋さんはハチの足下のブラを拾いながら立ち上がった。

「あ、ありが-」

「見かけによらずすっげー派手だな」

お礼を言おうとしていたら北嶋さんに言葉を遮られた。
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