恋トレ～この恋お手柔らかに～

「これはお座りができているうちには入らないね」

「え？」

お座りさせてみてと言われてハチにお座りをさせたが１回目はダメ。２回目は出来た。

でも北嶋さんからするとそれはお座りをマスターしたとは言い難かったらしい。

「ミニピンは元々賢い犬だから飼い主がちゃんと教えればいろんな事をマスターするんだけど･･･」

北嶋さんは首を傾けながらちらりと私を見るとバカにしたような表情でため息をつきながら

「アンタ、ハチに舐められてるよ」と言って鼻で笑った。

え？今、鼻で笑った？

笑ったよね。絶対笑った。

なめられてる事ぐらいわかってるし、そうだからこうやって出張教室を申し込んだのに

小馬鹿にした言い方ってある？

こっちは高いお金を払ってるっていうのに･･･

それともイケメンだったら何を言っても許されると思ってんの？！

さっきだって、私に興味がないとか言って･･･

そりゃ～イケメンドッグトレーナーが私の担当になって嬉しいなって

浮かれてたのは確かよ。

だけど、そんなのはもう撤回！好きになりそうなのもなしなし！

一目惚れは

なかった事にしてやる！