恋トレ~この恋お手柔らかに~
「ありがとうございます。じゃあここで失礼します」
会計を済ませ、北嶋さんにお礼を言った。
「麻衣って車?」
「・・・・・・いえ、今日は電車です」
ここのショッピングモールは平日でも駐車場が混み合っているので
電車で来たのだ。駅が隣接してるから意外と便利。
すると北嶋さんがにこっと笑った。
「じゃあ~家まで送るよ」
「え?・・・でも・・・そんなこと・・・私は電車で帰ります。お気持ちだけいただきます」
私はカートの中の買い物袋と取ろうと手を伸ばした。
だがさっと北嶋さんに奪われた。
「俺と一緒は迷惑?」
「め、迷惑とかじゃなくて・・・」
北嶋さんが一歩近づく
「迷惑じゃなくてなに?」
「だって・・・私は生徒で北嶋さんはトレーナーで・・・」
すると北嶋さんが急にクスクス笑い出した。
何がおかしいの?
私が怪訝そうな表情を浮かべる。
「あのさ、俺たちは高校の教師と生徒じゃあないんだよ。
年齢だって凄く近いし、どう見たって恋人か夫婦って感じじゃない?
でも俺、アンタみたいな女好きだよ」
はあああああ?!
ちょっと何?この展開
「私みたいな女って?」
「・・・・・・素材はいいのにどこかぬけてる様な女?
黙ってると変な男に捕まっちゃいそうな?」
なに?良いとこなしじゃん。
「それのどこがいいんですか?」
「そういう女をさ俺好みにしつけるっていうの?」
北嶋さんは凄く楽しそうに言ってるけど
私は全く嬉しくない。
すると北嶋さんがさらに一歩近づいてきた。
「ハチと同時進行で俺好みの女にしていい?」
えええええ?!