雨のち虹 ~カタツムリの恋~
帰り道


涙が止まらなくなった。



こんな顔では帰れない。



私は遠回りして

細い川の道を歩いた。



全部嘘だ。

もう大嫌い。

お父さんなんて嫌い。



きっと家にお父さんはいない。


そんな気がして

家に帰りたくなかった。





川に石を投げた。


お父さんに教えてもらった石の投げ方。


「なるべく薄っぺらい石を選んで横から投げるんだ」


いつも私はできなくて

お父さんの投げ方を見てた。




できた!!


生まれて初めてお父さんみたいに石をポンポンって

水の表面を飛ぶように・・



涙がどんどん溢れて

その場にしゃがみこんで

泣いた。




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