雨のち虹 ~カタツムリの恋~
クリスマスも正月もずっとバイトをした。
もしかしたら会えるかもしれない。
そう思うと、寂しくも辛くもなかった。
あの白猫と、金の髪をしたあの人に・・・
高校二年の新年の幕開けは、お母さんの再婚話。
いきなりやってきた知らないおじさんが、お年玉をくれた。
貫禄があって、どこかの会社の偉い人に見えた。
私が一番苦手なタイプ・・・
お父さんにも似ていない。
新垣にも似ていない。
あの彼にも似ていない。
偉そうで・・・
なんだか好きになれそうもない。
「よろしくお願いします。」
それだけ言って、私は家を飛び出した。
そして、最近行ってなかったあの場所へまた向かう。