雨のち虹 ～カタツムリの恋～

無理だよ･･･



大好きな子が

やっと会えた大好きな女が、俺の胸の中で

泣いていた･･･




キスをして

俺とゆかりは、抱き合った。


少し大人になった俺とゆかりは、中学生の頃と同じように愛を確かめ合った。


涙が出そうになると、咳をして誤魔化した。


どうして、うまくいかないんだろう。

俺は、ゆかりと一緒にいると、苦しいんだ。


好きだけど･･･

一緒にいると、悲しくなるんだ。



『俺、彼女いるから･･･』


その一言を残して、俺はゆかりの元を去った。


きっと、俺を嫌いになる。

俺を軽い男だと軽蔑すればいい。


俺とゆかりは結ばれない運命なんだと、改めて感じた。


ゆかりを抱いていて、俺の心は張り裂けそうだった。



好きだけど、信じられない。

きっと、一緒にいると、ゆかりは息苦しくて、逃げ出してしまう。