雨のち虹 ~カタツムリの恋~
ゆかりのタオルを捨てた俺は、何事もなかったかのように、また助手席に座る。
「龍、寝てていいぞ!」
一番の仲良しの社員の田中さんは、いつも俺に寝ていいと言ってくれる。
自分も夜遊びをしてきたから、眠いことがよくわかるらしい。
ガタタタ・・・
ドン・・・
「あ~~!!やっちまった。パンクだ・・・」
俺がシートを倒した瞬間に車が、おかしな動きをした。
「あはははは!マジ?パンクですか?」
笑い転げる俺の頭を叩いて、
田中さんはわざとらしい大きなため息をついた。