雨のち虹 ~カタツムリの恋~
待ち合わせよりも5分早く着いた。
俺は、緊張しながら店内を見渡した。
まだ彼女の姿がない。
俺は、タバコ臭いその店を出て、自動販売機でコーヒーを買った。
もちろん
あの日、買った金色の缶のコーヒー。
彼女と俺の接点。
彼女は俺を覚えてる?
もしも、覚えてたら、
この缶を見せて・・・この不思議な再会を笑い合おう。
覚えてたら・・・
俺は、新しい恋に踏み出せるかも知れない。
駅のトイレの窓を開けて、外の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。