雨のち虹 ~カタツムリの恋~
雨の日
毎晩、メールが来るようになって、
私は毎晩のように、龍の夢を見た。
夢の中では、いつも雨が降っていた。
途中から、お父さんと龍が入れ替わっていたり、
お父さんが、新垣になっていたり、不思議な夢ばかり見た。
私は、心から笑えるようになった。
そして、
私は心から愛する人と生まれて初めて付き合うことになった。
雨の降る夕方だった。
私の肩を引き寄せて、龍の傘に入れてくれた。
『雨、嫌いなのに、どうして今日告白するの?』
本当は嬉しかったのに、強がってかわいくないことを言う私。
『これで、雨が好きになっただろ?』
龍は、傘を閉じて雨の降る空を見上げた。
雨に濡れた髪が、眩しかった。