雨のち虹 ~カタツムリの恋~
「俺のことどう思ってる?」
ゆかりの顔は真っ赤で、下を向いたままだった。
体育館から聞こえるバスケットボールの床に叩きつけられる音。
体育館裏の細い通路を吹き抜ける爽やかな風。
そして、風になびくゆかりの髪…
「俺と付き合ってくんない?」
俺は、自信があった。
だが、俺の前にいるゆかりは…困ったような顔で走り出した。
嫌われてんのか…
俺の思い過ごし?
なんとなく感じてた視線も
俺を見る目も…
全部勘違いだったのか?