雨のち虹 ~カタツムリの恋~
すぐに塾を辞めた。
学校でも、クラスに友達が出来なかった私は…保健室ばかり行ってた。
保健室の匂いと
保健室の壁に貼られている絵が好きだった。
保健の先生も
もちろん好きだった。
水曜にいつも保健室に来る2年生がいた。
どこから見ても不良な男子。
いつの間にか、仲良くなって付き合うようになった。
私は好きなタイプじゃなかったし、好きになる予感もしなかった。
だけど、将来の為に男を研究しようと思った。
騙されたり
裏切られたり
傷つけられるのはもう嫌。
それなら、逆に私が男を選んで
男を自分の物のように利用して
生きていく。
男ってどんな生き物か知る為に
半年ばかり付き合った。
付き合うことが楽しいと思えないまま別れた。
だけど、どんどん相手の気持ちが自分に向いてくることが快感だった。
私の生きてる証のように感じた。
生きてていいんだって思った。
私を心配してくれる人が一人でもいれば、私は眠ることができた。
お母さんに新しく出来た彼氏が
私の前でお母さんに抱きついたって平気。
お母さんが私に見せたことのない『女』の顔をしてたって…
全然へっちゃら。
私を好きだと言う男が一人でもいればいい。
どんな人でも
誰でもいい。