雨のち虹 ~カタツムリの恋~
中学の3年間で付き合った人数は10人くらいだと思う。
はっきり覚えていないというか、付き合ったと言えるのかどうかわからない人もいる。
コンビニの前で一人で携帯をいじってる時に声をかけてきた大学生と初めてのエッチをした。
涙も出ないくらい
無感情な私。
これが私の歴史に残る初めてのエッチなんだ…
車の窓から見えた月が
私を責めた。
しっかりしろって誰かが私の耳元で囁いた気がした。
その声は
遠い遠い記憶の中に封印した人の声。
大好きだった、血の繋がらないお父さんの声。
お父さんはどこにいる?
何をしてる?
依子のことを覚えてる?
私と石を投げて遊んだ河原を…
もう忘れちゃった?
私は
初めてのエッチの途中、ずっとお父さんのことを想ってた。
だから、何も覚えていない。
それから2ヶ月くらい付き合ったその大学生。
面白いから、『妊娠した』と脅かしてやった。
あっという間に
私の前から消えた。
やっぱり男って最低。
男は敵。