雨のち虹 ~カタツムリの恋~
俺はぶっきらぼうにタオルを受け取った。
ここが教室でなかったら…
俺はもっと違う態度で君と向き合えたのに。
そのまま俺は机に顔を伏せて、寝た。
「あ…」
という小さな声が聞こえたような気がして顔を上げたときには
ゆかりはもう教室から出ようとしていた。
かっこ悪ぃ、俺。
俺はまた自分がキライになった。
俺は一人でも生きていけるかのように、たくさんの鎧を身に着けた。
強そうなのは見かけだけ…
ちっとも強くなんかない『カタツムリ』だ。
硬い殻に守られていると信じているのは自分だけ。
もろくて
弱くて
何もできない奴なんだ。