雨のち虹 ~カタツムリの恋~


バイトの中で、唯一若い私を、みんながちやほやするのは当たり前で…


それは、愛でも恋でもなく…


店長の温かい腕も、私自身を抱きしめているわけじゃない。




ただ、若い女が好きだっただけ。


誰でも良かった。




タバコ臭い事務所の奥のソファで、抱かれた。


電気を消しているのに、パソコンの画面が明るすぎて店長の顔が見えてしまう。




真っ暗が良かった。



誰に抱かれているかもわからないくらい真っ暗なら…



いつか出会う運命の相手を想像しながら、

少しは幸せな気持ちになれるのに…



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