雨のち虹 ~カタツムリの恋~




クリーム色のベランダの柵が何度も夢に出てきた。


洗濯物は、今日も少しだけ。



洗濯物を見る限り、女の人と暮らしてる様子はないんだけどな。



規則正しく揺れるタオル…


よく着ている白いジャージ…




あ!!!



ベランダの窓が開いた。


静かな夜、窓を開ける音が響いた。


あくびをしながら、ベランダに出てきた新垣。


隠れなきゃと思う自分と、こんな機会は滅多にないと思う自分が戦っていた。


勝ったのは、だめな私。


私は隠れることなく、新垣の洗濯物を取り込む姿を見つめていた。






頭にタオルを巻いて…

何度もあくびをして…





寝てたのかな…





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