雨のち虹 ~カタツムリの恋~
初めての経験をした。
思っていたようなものとは少し違っていた。
体が繋がることで、心が繋がるなんて知らなかった。
新しい歴史が生まれた。
俺は次のステージへ上がった。
少し背伸びして、
早く大人になりたくて…
カタツムリのような俺の心。
やっと、顔が出せた気がした。
ゆかりとは、想像できないくらい愛が深まった。
離れている時間が不自然にも思われた。
俺達はずっと一緒にいなきゃいけないんじゃないかと思った。
それは、
俺が この恋が『期間限定』だって気付いてたからかも知れない。
来年の今頃は、
俺とゆかりは同じ道を歩いてはいない。
俺はふさわしい男じゃない。
ゆかりと一緒にいると、俺は自分がだめな男だと
感じてしまうかも知れない。
俺の心の傷を絆創膏で隠してはくれるけれど、
その傷を消してくれる人は、ゆかりではないような気がした。