雨のち虹 ~カタツムリの恋~
待ち合わせをしたゲーセンの前。
女子高生のうるさい笑い声と、ゲームの耳障りな音。
イライラした。
なかなか来ないゆかりにも、5月のくせに蒸し暑い天気にも。
ゲーセンの前の植木を囲むレンガの上に座っていた。
現実感がなくなってきて、夢の中のような気分だった。
音だけがエコーがかかったように俺の脳に響いた。
美しい緑の木々が並ぶ通りの向こうから歩いてくるゆかりを
他人事にように見ている自分がいた。
かわいい女子高生だなぁ。
きっとあの子、モテるんだろうなぁ、なんて考えてた。
隣にいるのは誰ですか?
どうして、デートの待ち合わせ場所に来るのに、隣に男がいるんですか?
まぁ、いい。
考えるのも面倒くせぇ。