うちの社長はバカだ
いよいよ、今日初出社だ
服装は自由だそうだが、何を着たら良いのかも分からないので俺はスーツを着ていく事にした
五十嵐さんの服装は、ビジネスマンのようなカッチリとしたスーツではなかったものの
、白い服の上にスーツジャケットを着て、タイトスカートを履き出来る女という雰囲気が漂っていた
そういうのもあり、俺もスーツを選んだというわけだ。
普段着なれないスーツを着て更に緊張が増す俺
目の前には
出来たばかりだと言わんばかりの綺麗な会社
出社に緊張して立ち止まっている
ーよし、心の準備は出来た、行くぞ!
俺は、ゆっくりと会社へ入っていき
相談所の入口までやってきた
コンコンコン
ドアをノックすると「どうぞ」と声がして、部屋に入る
「おはようございます!今日からよろしくお願いします」
いつもの営業スマイルで五十嵐さんに挨拶する
五十嵐さんもニコニコと笑いながら挨拶し返す
「今日からお仕事をしてもらうんですが、基本的お客さんが来ないとすることないんです。暇なので、事務等も全部終わらしてしまっていて、これからのことも残っていないんですよ」
まさかの仕事ありません宣言をされるとは。俺からすれば嬉しいことだが、そんなことで給料貰っていいのか?おまけに給料がそこそこ良い
何か裏があるのか...?
「それで、昨日から出張相談所!というものを作りまして、うちの相談所のホームページがあるのですが、そこから出張相談所を気軽に応募出来るシステムを作りました!なので、会社に来たら出張相談所の応募が来ているかのチェックをお願いします」
長々と説明されたが、つまりはホームページのチェックをしろ、ということは分かった
それは分かったのだが、その出張相談所ってなんだ?しかも昨日からって...
「柊くんの机を用意したので、ここでホームページのチェックをして下さい。ネットの使い方とか分かりますか?」
五十嵐さんは、そう言うと俺をある綺麗なデスクの前に案内した
前までの部屋は、手前にソファを二つ囲んだ間にテーブルが置いてあり、奥には社長の机!という雰囲気のデスクと椅子が置かれていた
だがそれが、社長のデスクの横に俺のデスクスペースが設けられていた
金に余裕あり過ぎるだろ、よく破産しないな..
そして、また疑問がある。
社長のデスクは、玄関扉の方向を向いて真正面に向いているのだが
俺のデスクは何故か社長のデスクに向く形で置かれていた
嫌がらせか?
「ありがとうございます、大切に使わせて頂きます。ネットの使い方は一応分かります」
俺は何一つ顔に出さず、ニコニコと笑いながら答え、自分の席についた
「ところで、一つ聞きたいことがあるんですが」
「はい、何でも聞いて下さい」
五十嵐さんも自分の椅子に腰を掛けニコニコと笑いながら俺を見ている
「出張相談所って具体的にどういうものなんですか?」
「文字通り、色んな所に出張して、相談を聞きに行くのです。うちのホームページを見た人が、ここの相談事務所まで来るのは面倒。かといってネットでの相談も嫌だ..。そんな人の為に私"達"が直接その人のお家にお邪魔、もしくは喫茶店等で相談を聞くということです」
楽しそうにそう語る、五十嵐さん
私達?
ということは俺も出張するのか!?
確かに面接の時、即採用だったので会社の説明プリントを渡され、そのプリントに出張ありと書いてあったが、まさかこの事だったのか
でも、昨日出張相談所を作ったと言っていたが、俺が採用された時から既に出張相談所を作ることを決めていたのか
まあ、急な思いつきで急遽作られていたのではないことに一安心した
「あっ、ちなみにネットでも設立時から相談は受付ているんですよ。そちらのチェックは私がするので柊さんはしなくても大丈夫です。勿論、チェックして質問に回答して下さっても全然構いません」
断固拒否する、と心の中で思いつつ「分かりました」と笑顔で返事する
さて、ホームページを開いて出張相談の応募が来ているか見るか
来ていないことを全力で祈るのだがな
そう思い通りにいかないのが、人生というものだ
『応募数 一名
氏名 サイトウ ササラギ
斎藤 簓木』
服装は自由だそうだが、何を着たら良いのかも分からないので俺はスーツを着ていく事にした
五十嵐さんの服装は、ビジネスマンのようなカッチリとしたスーツではなかったものの
、白い服の上にスーツジャケットを着て、タイトスカートを履き出来る女という雰囲気が漂っていた
そういうのもあり、俺もスーツを選んだというわけだ。
普段着なれないスーツを着て更に緊張が増す俺
目の前には
出来たばかりだと言わんばかりの綺麗な会社
出社に緊張して立ち止まっている
ーよし、心の準備は出来た、行くぞ!
俺は、ゆっくりと会社へ入っていき
相談所の入口までやってきた
コンコンコン
ドアをノックすると「どうぞ」と声がして、部屋に入る
「おはようございます!今日からよろしくお願いします」
いつもの営業スマイルで五十嵐さんに挨拶する
五十嵐さんもニコニコと笑いながら挨拶し返す
「今日からお仕事をしてもらうんですが、基本的お客さんが来ないとすることないんです。暇なので、事務等も全部終わらしてしまっていて、これからのことも残っていないんですよ」
まさかの仕事ありません宣言をされるとは。俺からすれば嬉しいことだが、そんなことで給料貰っていいのか?おまけに給料がそこそこ良い
何か裏があるのか...?
「それで、昨日から出張相談所!というものを作りまして、うちの相談所のホームページがあるのですが、そこから出張相談所を気軽に応募出来るシステムを作りました!なので、会社に来たら出張相談所の応募が来ているかのチェックをお願いします」
長々と説明されたが、つまりはホームページのチェックをしろ、ということは分かった
それは分かったのだが、その出張相談所ってなんだ?しかも昨日からって...
「柊くんの机を用意したので、ここでホームページのチェックをして下さい。ネットの使い方とか分かりますか?」
五十嵐さんは、そう言うと俺をある綺麗なデスクの前に案内した
前までの部屋は、手前にソファを二つ囲んだ間にテーブルが置いてあり、奥には社長の机!という雰囲気のデスクと椅子が置かれていた
だがそれが、社長のデスクの横に俺のデスクスペースが設けられていた
金に余裕あり過ぎるだろ、よく破産しないな..
そして、また疑問がある。
社長のデスクは、玄関扉の方向を向いて真正面に向いているのだが
俺のデスクは何故か社長のデスクに向く形で置かれていた
嫌がらせか?
「ありがとうございます、大切に使わせて頂きます。ネットの使い方は一応分かります」
俺は何一つ顔に出さず、ニコニコと笑いながら答え、自分の席についた
「ところで、一つ聞きたいことがあるんですが」
「はい、何でも聞いて下さい」
五十嵐さんも自分の椅子に腰を掛けニコニコと笑いながら俺を見ている
「出張相談所って具体的にどういうものなんですか?」
「文字通り、色んな所に出張して、相談を聞きに行くのです。うちのホームページを見た人が、ここの相談事務所まで来るのは面倒。かといってネットでの相談も嫌だ..。そんな人の為に私"達"が直接その人のお家にお邪魔、もしくは喫茶店等で相談を聞くということです」
楽しそうにそう語る、五十嵐さん
私達?
ということは俺も出張するのか!?
確かに面接の時、即採用だったので会社の説明プリントを渡され、そのプリントに出張ありと書いてあったが、まさかこの事だったのか
でも、昨日出張相談所を作ったと言っていたが、俺が採用された時から既に出張相談所を作ることを決めていたのか
まあ、急な思いつきで急遽作られていたのではないことに一安心した
「あっ、ちなみにネットでも設立時から相談は受付ているんですよ。そちらのチェックは私がするので柊さんはしなくても大丈夫です。勿論、チェックして質問に回答して下さっても全然構いません」
断固拒否する、と心の中で思いつつ「分かりました」と笑顔で返事する
さて、ホームページを開いて出張相談の応募が来ているか見るか
来ていないことを全力で祈るのだがな
そう思い通りにいかないのが、人生というものだ
『応募数 一名
氏名 サイトウ ササラギ
斎藤 簓木』