君と一緒がいい
焦燥と悲しみ
ー冷たい。
天を仰ぐと黒い雲が立ち込めていた。
ぽつり。
一滴の雨が頬(ほほ)に落ちた。
周りを見渡せば人々は皆、個々に傘を取り出し歩き続ける。
世の中はもうすぐクリスマス。
街の街路樹には多くのイルミネーションが煌めいている。
ー寒いな。
マフラーに顔を埋めてまた歩き出す。
すれ違う楽しそうな恋人達を横目に、彼女は違うことを考えていた。