君と一緒がいい
「おいっ、レナ!! 次移動だぞ、早く来いよ!!」
遠くからクラスの男子が呼びかけた。
移動教室用の教材を片手に佇む彼は中庭を見つめている。
彼の見つめる先には赤いガーベラの花たちが秋風に吹かれ揺れている。
「ー・・・はぁ。」
小さく息を吐いた彼は、何かを振り切るようにその場を後にした。
「遅いぞ。…なんかあったのか??花なんか見つめて。」
「なんでもないよ。ただちょっと、昔のことを思い出しただけさ。」