君と一緒がいい



「おいっ、レナ!! 次移動だぞ、早く来いよ!!」


遠くからクラスの男子が呼びかけた。


移動教室用の教材を片手に佇む彼は中庭を見つめている。
彼の見つめる先には赤いガーベラの花たちが秋風に吹かれ揺れている。


「ー・・・はぁ。」


小さく息を吐いた彼は、何かを振り切るようにその場を後にした。



「遅いぞ。…なんかあったのか??花なんか見つめて。」


「なんでもないよ。ただちょっと、昔のことを思い出しただけさ。」

< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop