偽王子と嘘少女
またベンチに座り直し、質問を続ける。
「そういえば、私の秘密はいつから知ってたの?」
どこで、どうやって?
絶対に誰にもバレていないと思っていたから、それが不思議でたまらない。
今後の参考にも、ぜひとも教えてほしい。
「えーっと、いつだったかな。2、3週間くらい前に、駅のホームでたまたま柊を見つけて、でもよく見たら全然違うっていうか…柊を地味にした感じの人だったんだ。だけどよく似てるなーと思って、しばらく観察していたら、電車を降りるときには、もっと地味になってて、そういうことなんだなって…俺と同じなんだなって思ったから」
そんなことあったっけ?
と、頭の中を探る必死に探る。