偽王子と嘘少女


そういえば…


「もしかして、午前中授業だった日?」


「ああ、多分そう」


なら、きっとあの日だろう。


先生たちが午後に大事な会議が入っているとかで、午前中で終わったその日の日程。


特にすることもなく、どうしようかと考えていたら、私の好きな人が通っている学校も午前中で終わることを知って、なんとなくついて行ってみようと思ったんだ。


彼のことをもっと知りたくて、私のことをもっと知ってほしくて。


だけど、あまり変わりすぎていると、気づかれないような気がして、久しぶりの地味スタイルに変えていったの。


まぁ結局、見つけることは出来なかったけどね。


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