偽王子と嘘少女


そんなことになったら、私はもう生きていけない…!


「どうしたらいいかな、希子!」


事情を説明すると、希子は何かを思い出したようにスマートフォンをいじり出す。


「これ、見てよ!」


そう言って見せられたのは、紫水くんが通う学校のサイト。


指差すところに、文化祭の日程が書いてある。


日付は、ちょうど来週の土曜日。


何も予定がなく、私も希子もその日は空いている。


ということは…


「行くしかないでしょ!」


満面の笑みで左手の親指を立てた希子に、私も明るく笑った。


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