偽王子と嘘少女
それを藤堂くんに説明すると、興味なさそうに相槌を打った。
「せっかく説明したのに、その反応はひどくない!?」
「いや、別にお前の好きな人とか興味ねーし」
まったく、藤堂くんが何事にも無関心なのは、キャラだけじゃなかったようだ。
ひどいやつだね、本当に。
ふと空を見上げると、赤くきれいな夕焼けは暗い夜へと変わりつつあった。
「もうこんな時間か」
私がポツリとつぶやくと、かばんを持って、藤堂くんが立ち上がる。
「え、何…送ってくれるの?」
なんとなく聞いてみたが、彼は何も言わない。