偽王子と嘘少女


「誰? 藤堂くんの?」


名前が書いてないため、誰の連絡かわからない。


「…紫水ってやつ」


「えっ!?」


また照れたように顔を染める彼。


聞き間違いではないよね…。


だったら、どうして私に?


「これしか、方法はなかったんだよ。お前があいつと仲良くなれば、前のようにいじめられることもなくなるだろうし…何しろ、柊と気まずいままなんて嫌だし」


一石二鳥だろ、なんて笑う。


< 140 / 273 >

この作品をシェア

pagetop