偽王子と嘘少女
「なんとかなるよ」
『こんにちは。
同じ中学校だった柊 かぐやです。』
こんな感じで良いのかな。
3時間に及ぶ自問自答の末、一番シンプルなアイディアを採用することにした私。
そう…さっき藤堂くんにもらった紫水くんのアドレスに、メールを送ってみることにしたのだ。
決まったのは、いいけど…
どうしても、送信ボタンが押せない!
本当にこれでいいのか、と不安になってしまう。
このやりとりを、おそらく百万回ほどしていることだろう。
それだけ、勇気が出ないということだ。