偽王子と嘘少女
それはそれは似合わないはずなんてなく、いつも以上に格好良い。
「…ひ、久しぶり」
どうしようもないこの緊張は、紫水くんのせい。
「久しぶり、柊さん。元気?」
「うん。元気だよ……それ、似合ってるね」
「そう? ありがとう」
そうして、また笑顔を見せる。
もしも好きって言ってしまったら、この笑顔を毎日見れるかもしれないということか…。
だけど反対に、2度と見れなくなるというリスクも…!
難しいな、告白って。
ため息を1つつくと、その間に希子が来た。
「おーい、みんな!」
手を振って、走ってきてくれる希子。
ピンク色の花柄浴衣を着ているため、走り辛そう。