偽王子と嘘少女
「じゃあ次はどこへ行きたいんだ?言ってみろよ」
口調が俺様キャラに戻っていることに、少し悲しい。
私はもう、藤堂くんの前では天然美少女やってないのに。
まあとりあえずいろいろ回った私たちは、行くところもなく、少し早いけど、集合場所に戻ってきてしまった。
「ここで、あの2人が来るのを待つか」
と思いながら、橋の下まで歩くと、もう2人が来ていることに気がついた。
やっと交換だ!
次は紫水くんと回れる!
このときの私は、自分のことしか考えずにいて少し馬鹿だった。
あの2人が、私たちを待っていたわけじゃないて気づかなかったんだから。