偽王子と嘘少女

きっと、さっきの告白は…。


いや、何も触れないでおこう。


どんなに心を磨いても、女心は簡単に分かるものじゃない。


関係ない者が、勝手に突っ込んでいいことじゃない。


そう思っていたのに。


「いやぁ、私フられちゃってさー」


「えっ」


言っちゃっていいの…？


戸惑いという名の動揺を隠せない俺。


「ごめんね、いきなり。誰かに聞いてほしくて」


「あ、そう…なんだ」


その相手は、本当に俺でいいのか？


とも思うけれど、柊はあいつのところへ行ってしまったし。


フったやつとの仲を割いて、友だちの夢を壊すような真似をするわけにもいかないよな。