偽王子と嘘少女


「まあ、何でもいいや。あの子、鈍感っていうか、自分しか見えないようなところあるから、ちょっと大変かもだけど…頑張ってね、藤堂くん」


「……え? 頑張って、って!? は!?」


まさか、そのことまでお見通しだなんて。


芹澤 希子…恐ろしいやつだ。


「じゃあ、私帰るね。ちょっと、1人になりたいっていうか…泣きたい気分?」


「そ、そっか。本当に、1人で良いのか? なんなら、俺の胸貸してやっても…」


「いいって、気を使わなくても。好きな人がいる男の胸で、泣くわけにはいかないでしょ」


「………う」


がっつり正論言われた。


やっぱり、女子っていうのは慣れないものがある。


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