偽王子と嘘少女
やってくれたね、まったく…。
まあ希子らしいっちゃ希子けど。
『一番頼りしてるのは他でもないあんただから』
親友には何でも分かっちゃうんだね。
「それで? 話って何?」
入り口前のちょっとした広場に着いた私たちは、その真ん中の大きなベンチに座る。
「えーっと…」
言ってしまってもいいのだろうか。
藤堂くんに告白されたって。
仮にも、紫水くんは私のことが好きな訳で。
好きな相手から恋の相談なんかされたら、絶対…いや、少なくとも私だったら傷つく。
秘密にしておいた方がいいのかな。