偽王子と嘘少女
なんて悩んでいたら。
「さては、夏祭りのあの男の子と何かあったんだね」
「えっ!」
「あ、図星?」
ニヤリと笑った紫水くんに、私はまんまとはめられた。
これは真実を言う流れ。
ある意味、気を使わない雰囲気にさせてくれたのかもしれない。
なんだかんだでやっぱり優しいなぁ、紫水くんは。
「実は、ね…」
さっきの出来事を、覚えている限り話した。
正直、あの時は頭があやふやで、ドキドキしてて、よく記憶に残ってないところもあるけれど、それらも全部、君ならきっと分かってくれる。
そう信じているから、だから私は君が一番の頼れる存在なんだと思う。