偽王子と嘘少女
「というか、かぐやって藤堂くんと仲良かったんだね」
「見れば分かるでしょ! 仲良くなんてないわ!」
「えー、本当に? 私には、かぐやが男子と話しているってだけで、珍しいことのように思えるんだけど」
「それは私の努力のたまものっていうか…」
無理についた嘘も、長年の付き合いの希子にはきっとバレている。
それでもいい。
後でちゃんと説明するつもりだから。
だったはずなのに…
「なぁんだ! じゃあ、もう話せるようになったんだね、初対面の人とも」
「……は!? な、何言ってんの、希子」
「ほら、次の自己紹介はかぐやの番だよ」
その言葉に、周りを見渡す。
皆の目線は、私のほうに注がれていた。