偽王子と嘘少女
『かぐや!』
『柊ちゃん!』
笑顔で私の名前を呼んでくれた仲間は、もういない。
本当の私を見ても動じないで、いつものように接してくれる人なんていない。
結局は、うわべだけの関係だったんだ。
「……ちょっと、待ってよ!」
落ち込んでいたそのところ。
希子が私たちをかばうように、前に出た。
「この2人は確かにかぐやと藤堂くんだよ! どうして、信じてあげようとしないの!?」
「………希子」
希子の目には、うっすらと涙がにじんでいる。