偽王子と嘘少女
「本当の自分を隠してまで皆と仲良くしてきたのは、騙すためなんかじゃないよ!? 自分に少し自信がなかっただけなの! それを今、せっかく勇気出して、さらけ出したのに、その態度ってないよっ…」
力が抜けたように、床に座り込んでしまった希子。
そのまま何かのスイッチがついたように、泣き崩れる。
辛かったはずなのに、怖かったはずなのに。
明るくて元気な希子でも、こういうのが苦手だって、私は知ってる。
それでも、私のために頑張ってくれた希子は本当に優しくて好きだ。
だからこそ、大切な友だちの頑張りをただ見ているだけなんて、絶対に嫌だ!
「私は、柊 かぐやです…! これが、本当の姿です」
ちょっと大きな声を出すだけで、皆私を注目する。
見た目が違うだけで、こんなにも反応が違うだなんて。