偽王子と嘘少女


「もちろんだよ! かぐやちゃんも、藤堂くんも、大切なクラスメートだからね」


「皆…」


昔から、ずっと思っていたことがある。


私に友だちができないのは、地味な性格と容姿のせいだと。


だけどそんなことないって、今なら分かる。


たった少し勇気を出すだけで、振り向いてくれる人がいる。


信じてくれる人がいる。


だから私も、その信頼に応えられるようにならないと。


頑張らないと。


ありがとう、皆…。


ありがとう、希子…。


ありがとう、藤堂くん…。


私に微笑んでくれた彼に、精いっぱいの笑顔を返した。


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