偽王子と嘘少女


放課後。


希子と帰ろうとしたら、今日は藤堂くんと2人で帰ったらいいじゃない、と言われた。


なんで藤堂くんと!?


疑問はたくさんあったけど、告白の返事もまだしていなかったことに気付いて、希子の言葉に甘えることにした。


「じゃあ…行こう、か」


「…うん」


俺様王子と天然美少女。


仮にも、その肩書きの2人のはずなのに、いざ本当の姿で向き合うとなると、恥ずかしくて素に戻ってしまう。


着いたのは、近くの古い公園。


初めて出会った思い出の場所。


< 268 / 273 >

この作品をシェア

pagetop