偽王子と嘘少女
放課後。
希子と帰ろうとしたら、今日は藤堂くんと2人で帰ったらいいじゃない、と言われた。
なんで藤堂くんと!?
疑問はたくさんあったけど、告白の返事もまだしていなかったことに気付いて、希子の言葉に甘えることにした。
「じゃあ…行こう、か」
「…うん」
俺様王子と天然美少女。
仮にも、その肩書きの2人のはずなのに、いざ本当の姿で向き合うとなると、恥ずかしくて素に戻ってしまう。
着いたのは、近くの古い公園。
初めて出会った思い出の場所。