偽王子と嘘少女
席順は、誰かが書いたあみだくじで行った。
女の子が、結果を読み上げる。
「1番、希子! 2番、忍くん! 3番…」
ううっ…貴重な知り合いが、もう呼ばれてしまった。
これから私はどうすれば…。
「5番、玲太くん! 6番、かぐや! 7番…」
見事に知らない人の隣。
見渡すと、一番チャラそうな男の子と目が合った。
もしかしたら彼の隣なのかな。
自己紹介は、藤堂くんのせいであまり聞けなかったし、ちゃんと受け入れてもらえるか、不安しかないよ…。
「隣失礼しまーっす!」
なんて考えているうちに、新しい人が来たようだ。
「こ、こんにちは…」
「うん、よろしくー!」
ちゃ、チャラい…!
どうやって、こんな人と仲良くすればいいかなんて、教わってきていないんですけど!
「君、柊ちゃんだっけ? 下の名前なんて言うのー?」
「あ、あの…かぐやです」
やっぱり、初対面の人だと素が出てしまうようだ。
このままどうにかしてバレなきゃいいけど。