偽王子と嘘少女
「へえ、可愛い名前だね。かぐやちゃん」
「……っ!」
その瞬間。
太ももあたりに、手が触れるのを感じた。
爽やかそうな笑顔も、今は恐怖しか感じない。
「この後さ、2人で抜け出さない? 俺、最初見たときから、かぐやちゃんのこと、良いなって思ってたんだよね」
「いや、でも……」
怖い、怖い…。
誰か……希子…!
「おい!」
遠くから聞こえたのは、希子じゃなくて…藤堂くんだった。
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